マエケン(前田健太)が球数制限に賛同したという記事について

高校野球でもピッチャーの投球数制限の問題が取り立たされることが多くなってきた昨今、MLBロサンゼルス・ドジャースに所属する前田健太投手が、高校野球の球数制限に賛同したという記事が公開されています。

プロ野球選手では横浜DeNAベイスターズの筒香選手が、野球人口減に対する問題を提起して様々な活動をしていることが有名ですが、今年西部ライオンズからMLBシアトル・マリナーズにFA移籍した菊池雄星投手が賛同の意を発言するなど、野球界の頂点であると考えられるプロ野球の関係者からも、野球界発展のために出来ることを発信する機会が多くなってきたと感じられます。

ダルビッシュ有投手も、球数制限や連投の問題については度々持論を発信していますし、トップアスリートが問題を認識して改善の必要性を訴えるということがこれからも増えていくのではないかと予想されます。

高校野球における球数制限の問題については、新潟県が全国に先駆けて今年の春の大会より実施すると発表し、それを日本高野連がストップをかける構図として、様々なメディアで語られているので個人的には食傷気味なんですが、おそらくこれからも選手ファーストのための改革の主項目として挙げられるであろう項目ですので、改めてここにまとめてみたいとお思います。

高校野球の球数制限について

マエケンは球数制限に賛成

まずは先ほど紹介した前田健太投手のインタビューから抜粋すると、

 「ここまで大きなケガはないが高校生のころは肩やひじが痛くなることがあった。体がしんどいときもたくさんあった。もう少し大会の日程にゆとりが欲しいし、2連戦までにとどめてほしい」

この部分には球数だけでなく、大会の日程についても改善が必要と考えていますし、

「プロの僕らでも1試合で100球ちょっとしか投げない。僕らより体が強くない高校生が170、180球を投げるのはケガのリスクが高まる。大人が制限を設けてあげることはすごく大事なことだと思う」

新潟県高校野球連盟が導入を試みた投手の投球数制限には賛同するとした上で、主催者側が真剣に制限を考えることを願っていると考えられます。

「大人が制限」とう言葉のみを解釈すれば、ルールではなくチームが自主的に球数を制限する方法もありえますが、勝利至上主義が蔓延する現在の高校野球界ではそのように考え指導者は少ないと思えます。

高校野球の指導者でも、投手をあまり無理使いしないことを明確にアピールしている人もいますけど、その理由は甲子園出場のためであることがほとんどで、事実夏の甲子園ではエースに負担がかかっていることは明らかです。

選手の将来を考えて甲子園では連投させない、なんて指導者は見たことが無いですからね。

よく監督のインタビューで、本人に確認したら「行かせてください」と言った、などということも聞きますけど、普通高校生が自分から将来のために投げないなんて言うわけがないことは監督も承知してるはずです。

球数制限の問題は、ルール上の問題と勝利至上主義の問題が相まって複雑化しているといえるかもしれません。

勝利至上主義については以下に記事でもふれています。

続けて、ダルビッシュ有投手の主張も以下に紹介したいと思います。

ダルビッシュは球数制限のメリットを主張

ダルビッシュ有投手は以前、球数よりも登板間隔に重きを置いた発言が公表されたこともあり、球数制限反対派から「ダルビッシュは球数は関係ないと言っている」と主張されることもありますが、以下の記事では球数制限のメリットを主張しているようです。

この記事全体の内容はさて置き、ここで書かれているダルビッシュ有投手の主張としては、

「みんなのことを考えて、やって欲しいと思います」

「球数制限とか連投への制限とかがあったら、怪我を防ぎやすくなるし、もっと試合に出られる選手が増える。そういう風にしたら試合で輝ける選手も増える」

「誰もがプロ野球に行けるわけじゃないし、高校で野球は終わりって決めているような子は、ルールで歯止めをかけないと、肩が痛くても、肘が痛くても、とことん頑張ってしまうものですから」

「すぐにできないなら、3年後とか、まだ高校に入学してない子たちのためにやるよ、ということでもいい。そうすれば子どもたちも最初からそういうつもりで(高校野球に)入っていける。今の2年生が3年生になったらやるよ、でもいい。今から1年後から始める、でもいいわけです」

「球数も連投も、両方一緒にやればいい。球数なら、例えば1年生は70球とか。80球でも良いけど、とりあえず決めて、2年生が90球、3年生になったら100球とか。それで、その球数までいったら、連投はできませんよ、というルールを一緒に作ったらいい」

以上のような発言が記されています。

断片的な記述でわかりにくいかもしれませんが、ダルビッシュ投手が高校生の故障に危惧していて、自ら具体的な対策案までイメージしているというのは間違いないでしょう。

これらの問題に対する対策は、多くの人が考えていることと思いますし、そのアイデアも様々なところで表現されているようですが、やはりダルビッシュ選手のような立場の人が主張するのとは影響力が違います。

逆にいうとそのスポーツのトップにいる立場の人が、正しい主張を発言するというのは非常に貴重で、そこから改革が始まるのではという期待感も膨らみます。

問題としてはこのような情報の拡散がほぼSNSを含めたネットに依存していて、その性格上匿名であることを良いことに、主張に対する意見という範疇を超えた批判や誹謗中傷が見られるということです。

今回の記事とはテーマが違うので深掘りはしませんが、先に紹介した記事でもコメント欄を見るとがっかりするような書き込みがいくつか見られます。

話がそれてしまいましたが、球数制限に対する高野連の対応もまとめておきたいと思います。

球数制限に対する高野連の対応

球数制限の問題は新潟の件が大々的に報道されたことで注目されましたが、高校野球における投手の故障については今までもいろんなタイミングで議論されてきました。

甲子園で行われた対策としては、事前に検診を受けることや準々決勝と準決勝の間に中1日の休養日を設けることなどがありますが、具体的な球数制限や連投の制限などはありません。

今回新潟県が行おうとした球数制限は、結果的には日本高野連に自粛を求められ、新潟の高野連がそれに従うという結末になりました。

この件で感じるのはやはり高野連からの「圧力」があったのではないかということでしょう。

部員の少ないチームが不利なるなどの理由を言っていますが、根本的には地方の高野連が勝手なことをやることが許せないというのが本音なのだろうと、ほとんどの人が思うでしょう。

一昔前の絶対君主制のごとき高野連であれば、新潟県が高野連から排除されるなんてことも大げさではなく有り得る話です。

さすがに現代ではそんな愚行は世論が許さないでしょうし、高野連も昔に比べれば問題意識が高まってきているようで、今後は専門家を交えた有識者会議で球数制限の導入について検討を進めていくと言うことです。

有識者って誰なのか?いつまでにどのような検討をするのか?その他諸々ツッコミどころは満載ですし、スピード感の無さは従来の高野連クオリティそのままですが、有識者会議を行うということだけでも、今まで閉鎖的だった高野連にしてみれば大きな進歩と感じられます。

ここをきっかけとして高校野球並びに、その下の世代の野球少年たちが、健康でプレイするための環境が整うこと願ってやみません。おそらく長い年月が掛かるでしょうが、この問題を真摯に考えられる人たちが高野連の要職や、チームの指導者になっていくことが必要なのでしょうね。

まとめ

ちょっと硬めの文章で書いてきたので、まとめはフランクに。

前田健太投手とダルビッシュ有投手が球数制限について言及した記事を引用して見たけど、今の高校野球で投手の健康対策は必須なのはファンならばみんなわかってる。

大事なのはビッグネームが発信することによる影響力があるから、ここで周りがもっと盛り上げることで何かが変わるかもしれないということ。

高野連の対応がイマイチなのは今に始まったことではないけど、地方の支部に圧力をかける構図はどっかの国の政治を見ているようで嫌な気持ちになるし、結果高野連の問題解決能力の低さを際立たせることになったと感じます。

将来的にプロ野球選手になるような才能を守ることとは別に、普通のチームでもエースが故障する可能性を考えれば深刻な問題であることは間違いなくて、そう捉えれば地方大会からの球数制限って理にかなってると思うし、テストケースとしてデータも取れるしメリットしか無いと思うんだけど…メンツのみでやめさせたと思われてる高野連、どう受け止めているのか聞いてみたいです。

高校野球

Posted by sarai